2013年2月10日日曜日

更新のお知らせ 2013.02.10

Roots ConnectionのHP内にて文章をUPしました。
点滅信号のお話です。

【安らぎの明滅】
http://roots-connection.com/space/?cat=5

2013年1月19日土曜日

更新のお知らせ 2013.01.19

Roots ConnectionのHP内にて文章をUPしました。

なんかSFモノの会話調になりました。

【通信記録】
http://roots-connection.com/space/?cat=5

2013年1月14日月曜日

更新のお知らせ


あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

現在、Roots Connectionのホームページ内“Space”にて、
月に2度ほど文章をアップしております。
http://roots-connection.com/space/?cat=5

そちらの方を更新しましたら、当ブログにてお知らせさせていただきます。
他の作家様の作品と共に、私の文章もご覧いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

2012年11月6日火曜日

「永遠の命」


この四角い箱と外の世界をつなぐ唯一の窓
かつてはここから顔を覗かせていた子も孫も
今は枯れ木のように老いさらばえて
私と同じように生命維持装置の中に横たわっている

遠くのほうで風が唸っているのは錯覚で
風の音の記憶が脳内で勝手に再生され続けているにすぎない
耳は200年ほど昔に壊れてしまった
匂いも、肌を通しての刺激も、感じなくなってから久しい
味覚に関してはまだ機能しているかもしれないが
もう300年も食事をしていないのでわからない

そしてついさっき、私の中の決定的な何かが切れて
もう決して晴れることのないであろう闇が目の前を覆った
外の世界から隔離された、完全な肉の塊になってしまったのだ

音もない、光もない
何かしらの理由で、左腕の管から補給される養分が滞るまで
永遠の闇の中を、意識だけが彷徨い続ける

これは棺
そう、プラグに繋がれた棺桶だ

2012年10月3日水曜日

「巻貝」




貝殻に設けられた
たったひとつの出口から外を眺める
あれがないか確認するために

霞がかった白い世界
その滲んだ輪郭の隙間いっぱいに
私をみつめる夥しい数の眼光がひしめく
その眼光の怖ろしさ故に
私はこの貝殻から出られない

私は視線で揺れ動く貝殻の鍵を閉めた
貝殻の中は暖かく
陽光を受けて虹色に満たされている
またここに帰って来られた安堵から微笑みがこぼれた
そして螺旋を描く回廊の突き当たりで
膝を抱えたまま血が吹き出すまで爪を噛んだ

2012年10月2日火曜日

展示についての告知


10月26日(金)
北堀江のカフェ「シャルボン」で、音楽、写真等のイベントします。
私は詩文で参加しますので、ぜひ遊びに来てください。

19:00 OPEN ~ 終電まで
Entrance : ¥0(お食事代のみ)

詳細はこちらのHPで。
http://roots-connection.com/the-five-senses/

2012年8月30日木曜日

「丘」


三日月の形に窪んだ湾を包み込む丘は
地平の果てまで箱たちによって埋め尽くされている
箱はどれも一辺一mほどの大きさで
研ぎ澄まされた刃物のような美しい角をもっている

丘へやってきた一台のダンプカーは
荷台いっぱいに積まれた箱をぞんざいに投げ出し
砂塵を巻き上げて走り去っていく
その後にはまた
箱の間をすり抜ける潮風のざわめきだけが残される

それは何の前触れもなくやってくる
浜辺にひしめき合う箱のうち
エネルギーを蓄えたものはにぶい光を放つようになる
その光は遠くに見える灯台の灯りのように
ゆっくりとした明滅を繰り返す

血の色をした太陽が沈んだのち
深い闇を纏って一隻のタンカーが現れる
タンカーは備え付けられた金属のアームで
発光する箱をすべて甲板へ吊り上げ
海の彼方へ消えてゆく

はちきれんばかりにエネルギーを蓄えた箱たちは
この丘から遠く離れた場所の誰かの手によって開かれる
コンテナに積み込まれた箱たちは
その時が訪れるのを
今か今かと待っている



 起源は、ある事象の結果から振り返って初めて実体を持つ。これまで起源という認識をもって、起源を体感した者はおそらくいないだろう。それは流れる時の中でゆったりと発展していくもので、時系列で起源を明確に割り出すことは不可能。
 しかし、人類は合理性を追求するあまり、事象に先立つ起源そのものを物質化。培養を始める。フラスコの中でメカニズムを解明された起源は、工場で大量生産され、海を臨むさびれた丘に運ばれる。
 信号で止まっている自動車が、発進時に一番ガソリンを必要とするように、物事が動き始めるとき、そこには膨大なエネルギーが渦巻いている。雨、風、波、雷鳴、月光、陽光……箱の形を借りた起源は、この丘でこれら自然現象からそれぞれの起源に適した養分を抽出する。
 はちきれんばかりにエネルギーを蓄えた箱は、海を渡って世界各国に散ってゆく。圧倒的なスピードをもって疾走している近現代。“時代”は、箱がもたらす起源の氾濫によって、さらにスピードを増してゆく。
 起源は人工的に生み出されている。誰の目もないさびれた丘で。