LiveBar谷町バラクーダにて、6月15日から7月19日まで展示していました。

「枯渇」
夜に溶けゆくネオン
風にはためく星条旗の影
天を穿つ塔
その谷底で繰り広げられるドラマ
あまりに典型的なその都市の姿は
彼女の中の現実感を次第に蒸発させていった
朝日を浴びたときの清々しさや
呼び立てる電話のベルの騒々しさや
そうしたものが一枚一枚剥がれていって
後にはのっぺりとした黒い楕円形の塊だけが残った
黒い楕円形の塊は渇いている
とても渇いている
カラカラに渇いたそれは潤いを求めて
水の中の都へ飛び込んだ
塊は水面に触れると
溶けるように姿を消してしまった
水面は飛沫もあげず
波紋も生まず
まるで何事もなかったかのように
穏やかなさざ波をたたえている
その奥には何万回も濾過されて
青以外の全てのものを濾しとったような
純粋な青が広がっている
塊はもうどこにもない
彼女は行ってしまったのだ
みなもに映る
もうひとつのマンハッタンへ
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