2014年2月20日木曜日

帽子の中の言葉

トリスタン・ツァラの「帽子の中の言葉」をやってみました。
方法は簡単で、新聞の単語をハサミで切り取って袋に詰め、
くじびきの要領で引いた言葉を、順番に記録するだけです。

解体されてつながりを失った2014年2月19日・毎日新聞朝刊の1面はこんな感じでした。

■ ■ ■ ■

白十字コリアンタウンの
防衛関係者の日本全敗
血の出るようなバリ島南部デンパサール沖の
押し上げたとけ込もうとしない気圧の谷や永住権が法律家の有機水銀へ
コンプレックスが(故人)を僕のレースは記録的な対面し
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33秒差で漂流する集落は
強い灯油の孤立が一般社団法人手足の
解け出す深まって返上する


2014年2月8日土曜日

ソチ五輪開会式

ロシア選手団入場の際に、ここぞとばかりに流れるt.A.T.u。
クラッシックの定番・剣の舞とt.A.T.uのミックス。
DaftPunkとt.A.T.uのマッシュアップ。
どんだけタトゥー推すねん。

ロシアの歴史のショー
大航海時代 → ピョートル大帝 → 帝政ロシア → 華やかな舞踏会 → トルストイの戦争と平和のバレエ → 社会主義とロシアアヴァンギャルド → 世界大戦 → 旧ソビエト時代のモスクワの復興と発展 → ベビーブームと現代

イチ押しは“社会主義とロシアアヴァンギャルド”

戦争と平和のバレエに、蒸気機関車が突っ込んできた時が一番興奮した。
会場は社会主義を象徴する赤に染められ、デフォルメされたパーツに解体された蒸気機関車が、科学発展・技術革新に向けて宙を邁進する。
その下には、銀色のタイツに身を包み、表情を消して無機質な動きを反復する無数のダンサー。
この場面に創られたかのような力強い音楽は、スヴィリードフという作曲家の「時よ、前進!」という曲らしい。

ロシアアヴァンギャルド、かっこいい。
弾圧されたけど。
このままがんばって起きて、再放送でもう一回開会式見ようかな。




2014年2月7日金曜日

衣の支配

佐村河内守さんの「耳が聞こえないと感じたことはない」 ゴーストライター新垣隆さんの会見全文
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/05/ghost-writer_n_4734967.html?utm_hp_ref=fb&src=sp&comm_ref=false

ゴーストライターを使ったことには、そこまで抵抗を感じない。佐村河内氏が伝えたイメージに、ゴーストライター・新垣氏のインスピレーションは反応していたようだし、この方法によってしか誕生し得なかった曲がこの世に生まれたはずだ。

ただ、聴力がないことを装って一人富を得たのは、薄汚い。聴覚障害者への侮辱に加え、ヒューマニズムを利用し、音楽に人生を捧げる他の作曲家たちを出し抜く“禁じ手”を使った訳だ。これが事実だった場合、こいつは嘘つきだ。悪人だ。

では、嘘つきが創った曲は悪か?
莫迦な。

氏を応援していた君の感覚が酔いしれた曲は、何も変わらず目の前にある。好きなだけ聴けば良い。もし聴く気がなくなったと言うのならば、君が聴いていたのは音楽ではなく、聴覚がない被爆二世という衣を纏った、空白だ。

楽曲の背景も踏まえなければ聴こえない想いもあると思うが、音そのものがあまりに軽視されすぎている。“禁じ手”が通用することがおかしい。与えられたものしか食べていないから、自分の感覚を信用できなくなる。

どんな人間が創ったって、名曲だったものには心を揺さぶる名曲の要素があるはずだ。